皿屋敷

昔代官が屋敷で働くお菊という女に横恋慕していたのだが、受け入れてくれなかったのを逆恨みして罠にかけ、十枚ある皿の内一枚を無くしたという濡れ衣を着せて惨殺する。お菊は化けて出るようになり、それが今でも出てくるというのだ。
それを面白がって若者たちが夜に見物に行くと話に聞くとおり幽霊が出てきて皿を数え始める。それも美人だという。その話が知れ渡り、皆が見に集まってくるようになる、お菊も見物客を意識するようになり芸風が身についてくる。
ある日の事、お菊は十八枚まで皿を数えると、見物客達は何故かと問いただす。お菊は「風邪を引いたので明日は休ませて貰う。だからは今日は明日の分まで数えた」と。


この題目、上方では「皿屋敷」、東京では「お菊の皿」というらしいのだが、偶然一日に両方を聞いた。筋としてはほとんど同じなのでどちらが面白いということは無いのだが、「皿屋敷」の方は桂枝雀によるものだったので、もうそれだけで文句無くこっちの勝ちではあった。
上方と東京の落語の交流はどうして起きるようになったのだろうか。今度調べて見たいと思った。