落語

夢たまご

食べると夢を見るという「夢たまご」を売り歩いている夢たまご売りがいる。ある男がそれは面白いという訳で、試しに買って食べる。すると夢の世界に入ってしまいそこでは自分が夢たまご売りになっている。夢たまご売りの家に帰って酒を飲んで、女房にちょっ…

三十石 夢の通い路

男二人が京都から大阪に帰ろうとする所から。お土産を買って、三十石という乗り合い船に乗ると、日は暮れて、乗客は眠りこけて夢を見ながら大阪に向かう、という噺。 この噺は東の旅というシリーズの最終話に当たるもので、喜六と清八という二人連れがドタバ…

HAPPY

山の向こうに幸福があると聞いた男が、山を超えてやってくる。そこで老婆に出会う。老婆曰く。昔、自分が娘のときに両親も無くし失意の底にあって死のうとした時に老人が現れて、山の向こうに「幸福」という生き物が住んでいてそれに会えば幸福になれるから…

ROBOT SHIZUKA-CHAN

今時の家電は色々としゃべり掛けて来る。時計は「○時X分です」、ベッドは「眠れ良い子よ(子守唄)」冷蔵庫は「○○が解けてます」。姉に留守番を頼まれた枝雀はしゃべりたててくる家電に囲まれて閉口する。やがて帰ってきた姉は、店の人に勧められてたというロ…

景清

目を患ってしまい失明した男、絶望に打ちひしがれながらも知人の勧めもあって観音様に願を掛ける事にする。観音様にお参りに行くと同じ境遇の娘がいて懇意になり、あろう事か賽銭を盗んでそれで酒を飲みに行ってしまう。これでは治る訳が無いと知人は清水寺…

戻り井戸

ある男が気がつくと井戸の中にいる。何が起こったのか判らないまま助けを呼ぶと、近くを通った農家の二人が助けてくれ、家にいって気付け代わりにと酒を振舞ってくれる。はじめは今の都会は田舎を見習うべきだとか、世の中はおかしな方に向かっている、とい…

不精の代参

無精者の男が知人の代わりにお参りに行ってくれないかと頼まれ、断るのが面倒くさいという理由で引き受ける。背中を押して貰った勢いで歩き出し、到着したら参拝者に代わりに拝んで貰い、また背中を押して貰って帰りの途に着く。 弁当を貰っていたのだがそれ…

恨み酒

ある男が酒を飲みに行くと、この店には10年くらい前に来たことがあるという。散々酒を飲んだ後、10年前に勘定を払えなかったものだからこの店の人にひどい目にあった、その時の者を出せといい始める。店の主人はビックリするが、いやもう昔の者はいないと取…

義眼

ある男が義眼を入れて貰い、馴染みの女のところで過ごす。その隣に泊まっている酔っ払いの男、隣の様子が羨ましくて、やがてその様子を見ようと隣の部屋にしのびこみ、間違って義眼が入った湯呑の水を義眼と一緒に飲み干してしまう。 酔っ払いの男、お通じが…

いらちの愛宕詣り

いらちとはせっかちな人の事。そのいらちの男、知人に直す為に愛宕さんにお参りに行くことを勧められる。いらちなので早速出かけようと気がはやる。なんとか翌朝出かけるのだが、方角を間違えたり、間違えてお賽銭を沢山入れたり、まあそそっかしい事。 帰り…

代書

ある男が就職しようというので履歴書を書いて貰おうと、代書屋、今で言う司法書士のところを訪ねる。代書屋に問われるままに誕生日やら職業やらを答えるのだが、的を射ていないままに代書屋はなんとか書いていく。何か表彰されるようなことはあったか?と聞…

男が飼っている猫が突然しゃべり始める。何日かその猫と話をしながら過ごした後、お隣さんにこんな珍しいことがあろうかと話かけると、お隣さんが「何をニャーニャー言っているんだ?」と。笑えるのだが、なにやら恐ろしさも感じてしまう。猫が相手だからだ…

貧乏神

何度も女房に逃げられ、ろくに仕事もしていない男のところに貧乏神がやってくる。貧乏神はその男があまりに情けないのでしばらく面倒をみてやることになり、一緒に生活を始める。 男は相変わらずぐうたらで、おかげで貧乏神は女房のような献身ぶりで男を援助…

軒付け

浄瑠璃をやる素人の人達が、他所の家の軒にいって聞いてもらうことを軒付けという。さてある浄瑠璃集団が集まって軒付けをやるのだが、なかなか歓迎されない。最後に耳の遠いおばあさんの座敷を借りて演じると、そのおばあさんがは上手だと褒めてくれる。集…

時うどん

男二人がお金が15文しか無いのに一杯8文のうどんを食べたいと考える。利口な男は、お金を払うときに、一つ二つ・・と数え八つまでいったときに、「今何時か?」「九つで」、とやって、十、十一・・・と一文ごまかすことに成功する。 一方の男はそれを真似…

延陽伯

長屋に住む男に嫁さんを世話する話が舞い込んで来る。相手は美人なのだが、困ったことに言葉がバカ丁寧だというのだが、そんな事は構わないと男は嫁に貰う。 所が案の定言葉が通じない。名前は?と聞くと、自分の生い立ちから名前まで漢文のような口調で答え…

八五郎坊主

突然坊主になると言い始めた八五郎、早速知人の紹介で寺に行き、その場で髪を剃って貰って坊主になってしまう。和尚は名前もつけてやろうというので「法春」とつけてくれる。八五郎はふざけてばかりで、「ハシカが軽ければホウシュン(疱瘡)も軽い」などと駄…

一人酒盛

引越しした男のところに友人が手伝いにやってくる。男は、何もしかくてもいい、酒だけ飲んで帰ってくれ、というのだが、何かにつけて友人に手伝わせる。あげくには、酒も飲ませないで自分だけが飲んでしまい、酔ったあげくに悪態をつく始末。いい加減に頭に…

愛宕山

京都祇園に遊びに来る旦那が今日は野掛けをしようというので、芸者、舞妓、太鼓持ちを連れて愛宕山を上りに行く。大阪出身の太鼓持ちは日頃山登りに慣れていないのでやっとのことで皆について行く。 山に登ってからは、かわらけなげで遊ぶが、太鼓持ちは上手…

子ほめ

とぼけた男が聞き間違いである家でただ酒を飲めると勘違いして尋ねる。その家の主人、ただ酒を飲みたいのだったら若く見えるとか、子供の人相がいいとか、お世辞を言えば相手も酒を飲ませてやろうという気になろうというものだとアドバイスする。さてその男…

かぜうどん

冬の夜、うどんやが屋台を引いていく。 博打をやっている連中がヒソヒソ声でうどんを注文する。あまり目立ちたくないということだ。十杯も頼んでお釣りもいらない、これからも食べてくれる、という美味しい商売になった。さて次にまたヒソヒソ声で注文する客…

米揚げ笊

男が笊(いかき)屋、ざる屋の売り手として小遣い稼ぎに雇ってもらう。男は堂島に差し掛かると、「米が揚がる米揚げ笊」という売り言葉が演技が良いというので、ある店の旦那が買ってやるという。男は「あがる」という言葉を連発すると旦那はますます気に入っ…

権兵衛狸

ある夜の事、権兵衛という男の家に「権兵衛さん」という声とともに戸をたたく音がする。戸をあけると狸が転がってくる。いたずらしたのを懲らしめるために縛り上げる。翌日知人がやってくると狸汁にしようというが、それは可哀想だといって、戒めの為に頭の…

蔵丁稚

丁稚が旦那に隠れて大好きな芝居に行くのだが、旦那はそれをうすうすと察知していてかまを掛けるとまんまと引っかかってしまう。懲らしめるために丁稚は蔵に閉じ込められるが、すき腹を満たすために芝居を演じ始め、刀を振り回す。それを見た女将さんは切腹…

宿屋仇

男三人が宿に泊まって芸者を呼んで騒いでいる。と、隣の部屋に泊まっている侍が、騒がしくて寝られないというので、宿の人に止めるように言って貰う。男三人は残念に思いながらも相手が侍だと聞くと下手に逆らう訳には行かない。 芸者遊びは止めたのはいいの…

落語の歴史

落語とはいつからどのように生まれたのか、その起源を知りたくて手にした本だ。そもそもは、その場限りの話や笑い話だったのが、語り伝えられたり書き物にされたりして形を整えていく、さらにサゲという結末がついてきたのが戦国時代末だという。 戦国大名は…

始末の極意

節約が得意だという名人のところに男が訪ねて色々と節約の仕方を教わる。 最後にその極意を教えてやると言われて、松の木にぶら下がらされ、片方の手を離し、更に残ったほう方の手の指を一本一本離し、最後に人差し指と親指だけになったとき、「これを離さん…

あくびの稽古

学び事が好きな男、色々やってみるのだがなかなか板につかない。それであくび指南というのに、友人を連れて入ってみることにする。 師範はもっともらしい講釈をし、男はそれをもっともらしいと真に受ける。が、付き添いの友人はばかばかしくなって、ついあく…

七度狐

煮売屋を訪れた男二人。一方が店に置いてあるイカの木の芽和えを食べたいと懇願するのだが、それは特別なイベントの為に作ったものなので出すことは出来ないと言われるにもかかわらず、ちゃっかりすり鉢ごと失敬して店を急いで出る。食べ終わったすり鉢を放…

煮売屋

伊勢参りに行こうという男二人がなんだかんだ言いながら歩いてゆく。腹もすいたというので煮売屋さん、今で言うドライブインの小さな所に入って腹ごしらえする事になる。 何を食べようかというので品書きを見ながら店主と掛け合いになる。 銘酒があるという…