読書メモ

彼岸過迄/夏目漱石

普通に冒頭から読み始めたところなかなか気分が乗ってこない。情景をつづっているだけで登場人物の感情の起伏がなくて話の展開が見えないのだ。余程読むのを止めようかと思うのだが、後期三部作の始まりとあっては、これからこれらを読もうというからにはス…

心を整える/長谷部誠

スポーツ選手向けのメンタル指導書はいくらかあるが、現役が実践していることを書いているということからイメージしやすい。体力や技術の向上は勿論必要不可欠な分野だが、実際に相当メンタル面に気を使っていることは意外だった。 団体種目のスポーツをやる…

書くことが思いつかない人のための文章教室/近藤勝重

いい文章とは「独自の内容」と「伝わる表現」。 そのどちらも私としては自信が無い訳だが、本書はいくらかのヒントを与えてくれた。「体験を引き出す」「観察して描写する」「五感を活かす」ことに頭と時間を使うトレーニングを積むのが良さそうだ。 描写す…

人生がときめく片づけの魔法/近藤麻理恵

どちらかというと余計なものは持たないようにしているのだが、それでも着ない服や見ないビデオが溜まったりしている。筆者のコンマリは最近テレビにもよく出ているのでちょっと気になっていた。よく整理・整頓と言われるが本書で力を入れているのは整理の方…

奇跡の脳

神経解剖学者の著者が脳卒中になり左脳の機能が侵される。 前半は脳卒中を起こしてから回復するまで自身の脳を第三者的に観察したもので、右脳で生きるということがどういうことなのかがわかって興味深い。 後半は、著者が気付いた境地が中心で、左脳を休ま…

メンタル・タフネス

ジム・レーヤー著 「ストレスは(肉体的なもの、精神的、感情的なもの、なんであれ)成長の基礎となる」という受け止め方が本書のスタートラインとなっている。 ストレスは一生求めていかなければ自分の能力を維持することができないのだが、ストレスを感じ…

100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

原題は"The Next 100 Years - A Forecast for the 21st Century" 地政学、要は世界地図に占める地理的な条件を元にして、今後の世界地図を占おうとしているということだ。地政学だけではなく、これまでの歴史から各国の民族性も考慮している感じがする。 ア…

1Q84

前半(Book 1)を読んだところまでではミステリー小説のような感覚でどんどん読み進んだが、後半(Book 2)に入ってからはなかなか難解。リトルピープルは何を象徴しているのか、教団のリーダーの行為は善なのか悪なのか、空気さなぎは何なのか、天吾と青豆が引…

ノルウェイの森

新刊の発行やイスラエルでの受賞と講演などで話題になっている村上春樹だが、これまで読んだことが無いので何か読んでみようと本書を選ぶ。読みやすい作品で一気に読み進んだ。ついのめり込んでしまう。登場人物が絞り込まれているので展開が飲み込みやすい…

世界は感情で動く

前著の「経済は感情で動く」に続いて行動経済学を概説したような内容。世界は感情で動く : 行動経済学からみる脳のトラップ作者: マッテオ・モッテルリーニ,泉典子出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2009/01/30メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 105…

記憶力を強くする

偶然本書の存在を知り、アマゾンかなりのコメントがついているので手にとって見る。 記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)作者: 池谷裕二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/01/19メディア: 新書購入: 39人 クリック: …

ハイ・コンセプト

以前読んだ本で、「フラット化する世界」に求められる資質として右脳によるものが重要だというので、本書を思い出す。ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代作者: ダニエル・ピンク,大前研一出版社/メーカー: 三笠書房発売日: 2006/05/08メディ…

フラット化する世界

グリーン革命を読んでその前作のフラット化する世界(原題:The World is Flat)が気になり、ざっと読み返してみる。フラット化する世界 [増補改訂版] (上)作者: トーマスフリードマン,伏見威蕃出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2008/01/19メディア…

グリーン革命

フラット化する世界(原題:World is Flat)で有名な著者によるもので、その続編にような位置付けの作品。原題は、Hot, Flat, and Crowded。グリーン革命(上)作者: トーマス・フリードマン,伏見威蕃出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2009/03/20メデ…

なぜ日本企業では情報共有が進まないのか

少し前にナレッジマネジメントが流行したときがあって、その頃はITベンダがこぞってツールを出していた。その内インターネットではWeb2.0現象が起きて、地球規模で知識が共有されたり創作活動が行われるようになってきた。すると企業内でもWeb2.0を取り入れ…

坂本龍馬の人生訓

坂本龍馬について司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んでから気になっている。やる事、言う事が非凡で、なんだか作られた人格のような印象を受けた。まあ多少は表現の誇張や脚色もあるのだろうが。大政奉還のような歴史的に重大なことの立役者となったという功…

初めてのアジャイル開発

アジャイル開発手法の全体像を理解したくて何か本を探すことにしたが、例によってアマゾンの売れ行きと書評を参考にして一冊を選ぶ。同じような本の選び方をする人は多いだろうが、売れるものが更に売れるというサイクルがどんどん回ってゆくわけだ。初めて…

経営意思決定の原点

最近本書の著者による意思決定のマネジメントを読んだのがきっかけで、その前作を読んでみる。経営意思決定の原点作者: 清水勝彦出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2008/07/31メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見る 企…

14歳からの世界金融危機

サブプライム問題から発展した世界金融危機をわかりやすく解説したもの。45分でわかる! 14歳からの世界金融危機 (45 MINUTES SERIES 1)作者: 池上彰出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2009/02/26メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 43回この商品を含…

ウィキノミクス

原題はWIKINOMICS。WikipediaとEconomicsの造語らしい。原書を見た訳では無いがそんな感じだろうか。つまり、Wikipediaが代表するような地球規模で共同作業がすすむようなマスコラボレーションが、現在の経済活動・企業活動に極めて大きな影響を与えている、…

日本でいちばん大切にしたい会社

会社は誰のものかという問いは良く目にも耳にもする。そして欧米企業の考えの多くに沿って、それは株主のものだという解説が多いのも事実。その考えに沿えばぶれない経営が可能になるという意見もあったりして、それはそれで正しいと思うのだが、この本の主…

さらばアメリカ

最初のサブプライム問題の分析と、最後の日本の選択肢の提案は興味深く読んだ。が、中ほどはアメリカが何故国際的に威信が無くなったのかを解説してはいるのだが、記述レベルが高いことと、切り口があちこちに及んでいて、状況を理解している読者を前提とし…

現場力を鍛える

現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件作者: 遠藤功出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2004/02/13メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 174回この商品を含むブログ (46件) を見る強い企業の条件を「競争戦略の品質」「オペレーションの品質」…

利休にたずねよ

日本語が綺麗で深みがあり、読んでいて引き込まれるように、一気に最後まで読み終えてしまった。利休にたずねよ作者: 山本兼一出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2008/10/25メディア: ハードカバー購入: 4人 クリック: 25回この商品を含むブログ (93件) を…

幕末史

ペリー来航から明治維新を経て西南戦争までの幕末の歴史を描いたもの。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んでから、坂本龍馬以後のことを知りたいと思っていたので丁度良い本が登場したという感じ。幕末史作者: 半藤一利出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/1…

奇跡のリンゴ

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録作者: 石川拓治,NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2008/07メディア: 単行本購入: 32人 クリック: 361回この商品を含むブログ (225件) を見るこの本を読ん…

「原因」と「結果」の法則

近くのコンビニに平積みしてあったという事は結構人気があるのだろうか。「原因」と「結果」の法則作者: ジェームズアレン,James Allen,坂本貢一出版社/メーカー: サンマーク出版発売日: 2003/04/01メディア: 単行本購入: 48人 クリック: 764回この商品を含…

経営の未来

経営管理の手法が確立してから長い時間が経っているが、このインターネット経済、グローバリゼーションの時代になって、そのパラダイムが既に古くなっているという。そして、小手先で改良してきた経営管理(計画策定、組織づくり、指揮、調整、管理など)にブ…

「脳にいいこと」だけをやりなさい

タイトルから脳科学関係の話が中心なのだろうと思ってたらイメージと随分と違って、ポジティブ思考の本といったところだ。それもそのはず、原題は"Happy for No Reason"。「何故か幸せになる方法」くらいが適当なんじゃないだろうか。最近の本には、覚えやす…

意思決定のマネジメント

どこでこの本の事を知ったのかは忘れてしまったが、意思決定理論の初歩というようなことを言っている人がいたので興味を持った。意思決定のマネジメント (一橋ビジネスレビュー・ブックス)作者: 長瀬勝彦出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2008/09/05…