日本でいちばん大切にしたい会社

会社は誰のものかという問いは良く目にも耳にもする。そして欧米企業の考えの多くに沿って、それは株主のものだという解説が多いのも事実。その考えに沿えばぶれない経営が可能になるという意見もあったりして、それはそれで正しいと思うのだが、この本の主張は本質的に異なっている。

日本でいちばん大切にしたい会社

日本でいちばん大切にしたい会社


会社経営とは、「五人に対する使命と責任ための活動」、であるとしている。その五人とは:

  1. 社員とその家族を幸せにする
  2. 外注先・下請企業の社員を幸せにする
  3. 顧客を幸せにする
  4. 地域社会を幸せにし、活性化させる
  5. 自然に生まれる株主の幸せ

この五人の順番に意味がある。まず社員の幸せがあるべきだという訳だ。なんと、「顧客満足」は三番目だ。
筆者が取材した企業が何社か紹介されているのだが、どれも非常に感動させられる。何故だろうか?身近な人、接する人を大切にする姿勢からくるものだろうか。

会社でいちばん大切なのは業績を上げることではなく、いい会社とは継続する会社だという。
また、ここで登場する会社はオンリーワンを産み出そうとする求心力にあふれている。
こういった企業哲学の共通項を成しえるのが、「五人に対する使命と責任ための活動」なのだろう。


この本、誰か英語化してアメリカで販売しないものだろうか。どんな反響があるのか、興味深々なのだが。