坂本龍馬の人生訓

坂本龍馬について司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んでから気になっている。やる事、言う事が非凡で、なんだか作られた人格のような印象を受けた。まあ多少は表現の誇張や脚色もあるのだろうが。大政奉還のような歴史的に重大なことの立役者となったという功績も素晴らしい。
龍馬がそんな素晴らしい生き方ができたのは何故なのか、本書はそんな疑問を簡明に整理してくれている。

[新装版]坂本龍馬の人生訓

[新装版]坂本龍馬の人生訓

第1章 自己変革の土壌を耕し続けた龍馬
第2章 独創的な人間関係を確立した龍馬
第3章 経済を重視した龍馬
第4章 自分の魅力を自分でつくりだした龍馬
第5章 複眼でものを見つづけた龍馬
第6章 理想主義と現実主義を一致させた龍馬


色々あるのだが自己変革者という捕らえ方がしっくりくる。
時代が大きく変わろうとしたときに世の中が開国か攘夷か倒幕かという思想がベースになっている時にも、龍馬はそんな固定的な考え方に左右されない。現状を否定し、日本全体という大きな枠で鳥瞰して、あるべき姿を考えたという事だろう。
生物は強いから生き残るのではなく、変化に対応したものが生き残ると言われるが、龍馬がやった事はまさに日本の生き残り策だ。