世界は感情で動く

前著の「経済は感情で動く」に続いて行動経済学を概説したような内容。

世界は感情で動く : 行動経済学からみる脳のトラップ

世界は感情で動く : 行動経済学からみる脳のトラップ


合理的な判断ができないでトラップに陥る思考の性癖とでもいうのか、そんな傾向を事例や実験よって検証して纏めている。中には、単純すぎて引っかかると思えない実験もあるのだが、結果が裏付けているのだから確かな訳で否定は出来ない。

前著で取り上げてあった話と重複するものが多いので、この分野の入門知識を得るのであればどちらか一冊を読めば十分な気がする。


引っ掛かるかどうかを試す問いが沢山あって面白い(引っかかってしまった、引っかかりそうな、そんなものかな?)ものも結構ある。


問14(基準値の誤り)
ある病気についての検査では、5%の確率で間違いのイエスが出る(間違いのノーはゼロ)。この病気は1000人に一人の割合で発生するが、病気の疑いがあるかどうかとは関係なく、たまたま検査を受けた人がいた。ある人の結果が「陽性」と出た。この人が実際にその病気を持つ確率はどれほどか?

大多数の医師が95%と回答したそうだ。私もだが。。条件付き確率に注意。正解は約2%。


問16(代表性/ステレオタイプ)
ダニエルは、性格は憂うつで、長髪、窓は広いが家具の少ない屋根裏部屋に住んでいる。また、詩人のボードレールを愛しているという。
彼は画家だろうか、それとも企業の会計係だろうか。