愛宕山

京都祇園に遊びに来る旦那が今日は野掛けをしようというので、芸者、舞妓、太鼓持ちを連れて愛宕山を上りに行く。大阪出身の太鼓持ちは日頃山登りに慣れていないのでやっとのことで皆について行く。
山に登ってからは、かわらけなげで遊ぶが、太鼓持ちは上手くいかない。それで、大阪ではかわらけではなくてお金を投げるもんだと悔し紛れにウソをつくと、旦那はそれにムッとして自分は小判を投げるといって、太鼓持ちが制止するにも関わらず小判を20枚投げてしまう。
太鼓持ちは投げられてしまった小判がもったいなくて仕方が無い。傘を持って飛び降りる。小判を拾ったのはいいのだが帰ってくることまで考えていなかったのだが、竹のしなりを生かして戻ってきた。小判は?
「忘れてきたー」

NHKの朝のテレビ小説「ちりとてちん」で主人公が子供の頃に、この愛宕山の録音テープを何度も聞いて過ごしたという設定になっていた。渡瀬恒彦演じる落語家がその冒頭で一向が愛宕山に向かって進んでいくシーンを話すのだが、その、「遠山に霞みがたなびぃてレンゲ、タンポポの花盛り。・・・その中をやかましゅう言ぅてやって来る、その道中の陽ぉー気なことぉー」というフレーズがなんともリズミカルで気に入っていた。枝雀の演じる内容は少し笑いを取ろうとしているところはあるが、ちりとてちんのことを思い出させてくれた。