三十石 夢の通い路

男二人が京都から大阪に帰ろうとする所から。お土産を買って、三十石という乗り合い船に乗ると、日は暮れて、乗客は眠りこけて夢を見ながら大阪に向かう、という噺。


この噺は東の旅というシリーズの最終話に当たるもので、喜六と清八という二人連れがドタバタを演じながら笑わせてくれるわけだが、終盤になり船の船頭が歌を歌う場面は、風の無い静かな月夜を一艘だけがすーっと下っていく姿が思い浮かぶようだ。旅の終わりを上手く演出してくれる。癒しと言えば良いのか、気持ちが良くなる作品だ。