延陽伯

長屋に住む男に嫁さんを世話する話が舞い込んで来る。相手は美人なのだが、困ったことに言葉がバカ丁寧だというのだが、そんな事は構わないと男は嫁に貰う。
所が案の定言葉が通じない。名前は?と聞くと、自分の生い立ちから名前まで漢文のような口調で答えるものだから、男はそれの長い文句が全部名前かと思ってしまう。
さて、一夜明けると女は朝御飯をこしらえると、男の枕元で手をついて挨拶し、「恐惶謹言(キョウコウキンゲン)」と言って結ぶ。それを受けて男は、「ええーっ。飯食う事が『恐惶謹言』か。酒飲むことは『依って(=酔って)件(くだん)の如し』やろ」。


またまたサゲの意味が判らない。仕方が無い。少し悔しいが今回もまたインターネットに頼ってしまった。今でもそうかも知れないが、昔、落語をたしなんでいた人達はこうした言い回しは知っていたのだろうか。随分とイキなことだ。