蔵丁稚

丁稚が旦那に隠れて大好きな芝居に行くのだが、旦那はそれをうすうすと察知していてかまを掛けるとまんまと引っかかってしまう。懲らしめるために丁稚は蔵に閉じ込められるが、すき腹を満たすために芝居を演じ始め、刀を振り回す。それを見た女将さんは切腹しようとしたと勘違いして、旦那が止めに入る。
「御膳ぇ~~んッ」「蔵の内でかぁ~?」「ははぁ~っ……」「待ちかねた。」


このサゲ、全く何のことやら判らなかったので早速ネットで検索。いや実に便利なものです。
丁稚が蔵の中で演じていたのは「仮名手本忠臣蔵」の四段目で、江戸城で浅野内匠守が切腹し、大石内蔵之助が「御前ー」とやってきたところに浅野内匠守が息も絶え絶えに「内蔵之助か、待ちかねた」という場面なのだそうだ。

落語のサゲのパターンの一つに機知を試すようなものがあるがこれはその一つだ。今の時代、忠臣蔵を知らないとは言わないが細かいやりとりまではわからない人が大半なのではなかろうか。知らなくても全く恥ずかしいこともないのだが、この落語が流行った当初はそうもいかなかったのかな。