あたま山

音源:鈴々舎馬桜
   立川談志


頭から育った桜に花が咲く。その桜見物に人が集まる。桜の木を抜いた後が池になる。その池に魚釣りやら船遊びやらの人が集まる。

この噺、男の頭の上の桜とそこで起こる事件について、どう考えても納得できるイメージが思い浮かべることができない。どんな大きさの桜なのか、どれくらい広い池なのか。そこで悩んでしまってはこの噺が楽しめない。この男はどういった意味を持っているのだろうか。

鈴々舎馬桜の演じる噺には、花見酒で楽しむ人、魚釣りをする人、船遊びする人などが次々に登場する。春から夏に掛けて楽しまれる遊びがしっかりと描かれている。桜の木を生やした男はまったくの脇役であり、江戸の文化を楽しませてくれるというところがこの噺の醍醐味と思うのだが。