落語四季選

あたま山

音源:鈴々舎馬桜 立川談志 頭から育った桜に花が咲く。その桜見物に人が集まる。桜の木を抜いた後が池になる。その池に魚釣りやら船遊びやらの人が集まる。この噺、男の頭の上の桜とそこで起こる事件について、どう考えても納得できるイメージが思い浮かべ…

味噌蔵

音源:四代目 三遊亭円遊店の留守番をすることになった番頭達が食べることになったのは、マグロの刺身、タコの酢の物、牛鍋、寿司、田楽。田楽とは何か。他は判るがこの田楽というのだけはちょっと曖昧で、コンニャクに味噌を塗ったもののようなイメージしか…

質屋蔵

噺の山場は三箇所ある。 ?質屋がうらみを買う商売だということを説明するところ ?熊公がこれまで酒などを失敬したことを早合点して白状するところ ?蔵を調べに行くと道真公の霊が登場、質流れしないように利上げを願う(サゲ)一つだけ取り上げても噺が出来そ…

河豚鍋

参照:桂吉朝河豚を貰った旦那、鍋にしたものの食べるのが怖い。知人に先に食べるように勧めるが、河豚だと知るとやっぱり怖い。そこで、やってきたおこもさんに与え、どうやら食べてもなんともなかったようなので二人はやっと安心して箸をつける。食べ始め…

芋俵

音源:立川談志 談志百席 二人組みの泥棒が金持ちらしき店に忍び込もうと考える。その手口というのが、一人が芋俵に入っておいて店に預かってもらい、夜になって店が閉まったら芋俵から出て盗みを働こうというものだ。 首尾よく芋俵に入ったまま店の中に入れ…

野ざらし

音源:五代目 三遊亭圓楽 「どこの骨だ」「新朝の幇間(たいこ)です」「しまった。昼間のは馬の骨だった。」このサゲがさっぱり判らなかったので、麻生芳伸の「落語百選」を引く。新町(しんちょう)は台東区浅草付近の事で、昔は太鼓屋が沢山あり、その太鼓は…

茄子娘

音源:九代目 入船亭扇橋 戸塚宿から一里ほど入った鎌倉山の山間の寺にいる一人者の和尚、本堂の脇の畑で野菜を作っているのだが、なかでも茄子が大好物。 和尚が寺祭りの前日に蚊帳に入って寝ようとしていると、若くて綺麗な娘が現れるのだが、茄子の精だと…

いが栗

参照:桂歌丸 ある商人が道に迷っているとき、辻堂にいが栗頭のお坊さんがいるので道を尋ねるとなにやらぶつぶつと唱えてばかり。商人は気持ちが悪くてその場を立ち去り、一軒の民家を見つける事ができる。その民家に止めてもらえないかと相談すると、その家…

茶の湯

音源:柳家小三治 息子に家督を譲ったご隠居さんが暇をもてあまして何か風流なことを始めようと茶の湯をやってみようということになるが、全く心得が無いものだからどうすればいいか判らない。小僧の定吉と相談した結果、青きな粉に椋の皮で泡立てるというと…

お初徳兵衛 馴れ初め

参照:古今亭志ん生 「船徳」では満足に船を操れなかった徳兵衛も、しっかりと修行を積みながら三年も経過すると、その漕ぎ方のが上手くて男っぷりもいいという評判で、 芸者衆から徳兵衛の船に乗りたいと言われるようになる。 ある日、売れっ子の美人芸者の…

船徳

音源:古今亭志ん朝 偉い人あるいは身分の高い人が何か新しい仕事を始めようというのは、仕事を面倒見る人達にとっても本人にとってもあまり都合がいい事じゃない。周りの人達は気を遣って、教えてやろうって感じで指導するのも具合が悪く、じゃあ勝手にやっ…

舟弁慶

参照:桂枝雀喜六が清八に船遊びに誘われる。喜六はいつも旦那衆のおごりで遊んでるもんだから「弁慶はん」というあだ名が着いていて、割り勘で行って弁慶はんと言われるのは割が合わないとゴネるが、清八が、もし弁慶と呼ばれたら自分がお金を出してやろう…

皿屋敷

参照:桂枝雀話の大筋は前半と後半に分かれていて、前半はお菊の幽霊が出てくるようになった経緯の話で、後半はそのお菊の幽霊とのやりとりをコミカルに描く。代官の青山鉄三は腰元のお菊に惚れているのだが、お菊は三平に操を立てて、鉄三の言うとおりには…

唐茄子屋政談

参照:古今亭志ん朝 ある若旦那、女遊びの度が過ぎて、家を追い出されてしまう。行くあてもなく、食べる事もままならず、ついに橋から身投げしようとした時に叔父に助けられる。叔父は、改心する気があるならと、燃えるように暑い最中、唐茄子(かぼちゃ)を売…

千両みかん

参照:桂枝雀、古今亭志ん生呉服屋の若旦那の元気が無くなり衰弱していく。父親に頼まれて番頭がその理由を訪ねると、みかんを食べたくて仕方が無いというのだ。人がいい番頭は、それなら自分がみかんを持ってきてやると安請け合いするのだが、季節は真夏、…

夏の医者

参照:桂枝雀夏の暑い盛りに畑仕事をしていて親父さんが日射病か何かでぶっ倒れてしまう。医者を呼ぶことになるが、無医村なものだから、ある男が山を越えて隣村まで医者を呼びにいく。どうやら昨日の残りのちしゃを食べたのが原因ではないか、夏のちしゃは…

青菜

参照:桂枝雀 青菜暑い時分に植木屋さんが一仕事終えると、その家の旦那さんがお酒を付き合ってくれといって、本音は植木屋さんを労うのだろう、良く冷えた柳陰という焼酎とみりんを合わせたお酒を振舞ってあげる。肴には鯉の洗いだ。植木屋さんはこんな贅沢…

鰻屋

参照:立川談志 「談志百席」男が知人に酒を飲ませてやろうと言い出す。その男が以前鰻屋に寄ったところ、職人が出かけていて鰻を割く事ができないといって丸焼きの鰻を出されたので、文句をつけると酒をタダにしてくれた。今日もその鰻屋には職人がいないみ…

金明竹

参照:金明竹 柳家小三治 落語百選 夏/ちくま文庫/麻生芳伸骨董屋が話の舞台。旦那が奥に居る間は与太郎が店番をしているのだが、上手とは言えない。雨が降ってきたので軒を借りたいという男にただで傘をやってしまう。旦那はそういうときは「ばらばらにな…

道灌

参照:三遊亭金馬 落語百選 夏/ちくま文庫 道灌とは、室町時代の武将、太田道灌の事。八っつあんがご隠居さんの家を訪ねる。ご隠居さんは書画が趣味で沢山の屏風を持っている。その一つに、雨の中を鷹狩りの姿をした武将と、お盆に黄色い花を載せた女が描か…

西行鼓ヶ滝

参照:笑福亭鶴光百人一首にも出てくる歌人、西行法師のお話。 西行法師が三大滝の一つとなっている鼓ヶ滝を訪ねてきてそこで一首、 「伝え聞く鼓ヶ滝に来てみれば 沢辺に咲きしたんぽぽの花」 と詠む。自分でもいい出来だと満足し滝に眺めていると日が暮れ…

五月幟

参考:柳家小袁治 初節句の息子を持つ夫婦。叔父が人形を買ってやれといってお金をくれる。女房は夫に金を渡すと酒を飲んでしまうだろうと信用しなかったのだが、夫は自分の役目だといって金を持って出かける。 人形を買いに行く道すがら、当人の弟分が喧嘩…

愛宕山

参照:特選!! 米朝 落語全集 第八集 枝雀落語大全(31) 愛宕山の冒頭で一行が出かける時の描写がとても気に入っている。 ぞろぞろと一同が共をいたしまして鴨川を渡ります。どんどんどんどん西へ進んで二条のお城のしりめにころして、野辺に出てまいりますと…

花見酒

参考:落語百選/麻生芳伸/ちくま文庫 演芸玉手箱 三遊亭小円馬 男二人が花見に乗じて一儲けしようと企む。向島で花見をしている人達が沢山いるのだが、そこで酒を売れば、自前の酒が無くなった人が買うだろうという魂胆だ。二人は金は持っていないので、後…

雪の瀬川

参考:柳家さん喬 雪の瀬川本ばかり読んでいるので社会勉強にと江戸に出された若旦那の下総屋つる次郎。番頭さんの画策で知人の幇間が上手く若旦那を吉原に連れてゆく。若旦那はそこで会った花魁の瀬川に一目ぼれして通い詰めはじめると、そのうち遊び過ぎだ…

竹の水仙

参考:柳家小さん 五代目 −人間国宝 話芸の魅力飛騨で大工の腕を磨いた甚五郎、棟梁の勧めで京都の大工に勤めにいく。酒が好きでサボってばかりなのだが、宮中の依頼で見事な水仙の彫り物を献上し左の官を授かりその名も売れる。 甚五郎は京都は飽きたとフラ…

黄金餅

参考:古今亭志ん朝 落語名人会西念という貧しい僧がいて病気でしばらく寝込んでいた。或る日近くに住んでいる金兵衛が心配で見舞いに行くと、あんころ餅を食べたいの言うので買ってやると一人で食べるという。一人になった西念、あんこを取り出した餅にお金…

鰍沢

参考:三遊亭圓生 六代目身延山参りを終えて帰路についた旅人、鰍沢の船着き場に向かっている途中雪道に迷い、一軒の民家に泊めて貰うことになる。民家にはまだ若い女がいて、その女は昔江戸で花魁をやっていたのだが、心中にしくじってその後ここに移り住ん…

二番煎じ

参考:古今亭志ん朝 落語名人会町内で火事の見張りをする男衆。寒い中を我慢しながらも何とか一回りする。別のメンバーと交代すると、寒くて仕方が無いという訳で、その番小屋でこっそり持ち込んできた酒を飲み、しし鍋も作って食べ始める。 酒も回ってきた…