皿屋敷

参照:桂枝雀

話の大筋は前半と後半に分かれていて、前半はお菊の幽霊が出てくるようになった経緯の話で、後半はそのお菊の幽霊とのやりとりをコミカルに描く。

代官の青山鉄三は腰元のお菊に惚れているのだが、お菊は三平に操を立てて、鉄三の言うとおりにはならない。鉄三は可愛さ余って憎さ百倍、痛い目にあわせてやろうと企む。将軍家から預かった大事な十枚組みの皿だと言ってお菊に管理を言い渡す。そのうちの一枚をこっそり抜き取った後で、皿をあらためると当然1枚足りない、その罪をお菊にかぶせて、惨殺した上で井戸に放り込む。その事件のあと夜毎にお菊の幽霊が現れるようになり皿を数える声が聞こえ、その事が原因で鉄三も狂って死んでしまう。

さて、若い連中が集まって、今でもお菊の幽霊が出るという皿屋敷に見物に行こうなどと相談を始める。皿を九まで数えるのを聞いたら死んでしまうから、七まで数えたら逃げてしまえばいいという。恐々と皿屋敷に行くと、この作戦が上手くいく。そうしたら恐いことは無いと、何度も行っているうちに評判になり、あちこちから見物客がやってきて、大勢がにぎやかにお菊が出てくるのを楽しみにするようになる。お菊も自分が注目されてるがわかっていて、愛嬌を振りまくようになってくる。
ある日、いつものようにお菊が皿を数えていき、七枚の所で皆が逃げ出そうとするが、お菊は十八枚まで数える。風邪をひいているので、明日は休むから、明日の分まで数えた、と。


小さい頃は、皿屋敷とか四谷怪談とかいった定番ものの怪談がテレビで放送されていた。幽霊なんかいるはずが無いとは思っているのだが、どこかしか、ひょっとしているかも知れない、なんて所があったりするので、テレビを見てる最中だけでなく終わってからもしばらくは余韻があったようだ。
いつ頃からか怪談とは言わないようでホラーと言うようになったようだ。「リング」あたりからだろうか、何作か続いて和製のホラー映画が登場した。特に「リング」はストーリーも良く出来ていて、ただ不気味なだけで無く、謎解きみたいなところには引き込まれた。
最近時代劇ブームみたいので、怪談を今風にリメイクすると、結構当たるんじゃないだろうか。