寝床

浄瑠璃が大好きな大旦那が今日も近所の人達を集めて浄瑠璃を聞かせようとしている。
所が誰も聞きたがらない。下手だからだ。それで皆は丁稚の男を使って、断りを入れる。大旦那はご機嫌斜め。これはまずいと思った丁稚は近所を説得して皆が集まる事になった。
かくして浄瑠璃が始まったが皆寝てしまった。
所が一人だけ泣いている。その理由は、浄瑠璃を演じている場所がその人の寝床だった、というオチ。

近所の人達の断る理由が、いかにもわざとらしく、大旦那も見抜いている。それでも皆が来る事になったとたんに嬉しさを隠せない。大旦那と丁稚のやり取りが絶妙。