鷺とり

ぐうたら過ごしているある男が鷺を捕まえてお金にしようと企んだ。ある寺の池にまだ日が上がらない内に忍び込み鷺が寝ている所を幾羽も捕まえて腰の紐に結わえ付ける。帰ろうとしたときに鷺が目を覚まして羽ばたいたものだから飛ばされてしまう。五重塔のてっぺんにつかまって難を逃れると、それに気がついた人達が大騒ぎし始める。お寺の人が布団を下で受けてくれ、そこに飛び降りると、四隅を持っていた坊さんの頭がゴツンとぶつかる。一人助かって、四人の坊さんが死んだ、とさ。

落語に登場する動物は考えてたりしゃべったりすることが多い。ここでも鷺達が息を合わせて羽ばたいてやろうということを企てる。本当にそんな事があったら驚くしかないのだが、落語は日常生活を舞台にしているのだが非常識をまったく意に止めない世界観だ。