道具屋

ある男が夜店の道具屋を任されたのだが、売り物も半端物ばかりで売り方もひどくてさっぱり売れるはずが無い。
客が笛を触っていたら指が穴に入って抜けなくなる。仕方が無いので買って貰うしかないというので、男は売値を考えはじめるのだが、欲張って、このお金が入ったら米屋への支払いをしようなどと考え始める。ついには家を建てようなどととんでも無い妄想を描き始めるのだが、そうこうしているうちに客はどこかに逃げてしまった。
「家一軒を盗まれた」

さいころには出店に行ったものだ。盆踊り大会とか秋祭りと観音さん祭りなどというのがあって、大抵出店が出ていた。金魚すくいもやったりしたが、好きだったのはグラニュー糖をタバコのパイプみたいなのにつめて吸うやつで、最近そんなものは全く見ることがない。