竜馬がゆく(三)

竜馬は人生を大きく変える二人の人物と出会う。一人は日本を守る海軍を作ることを幕府に提案する幕臣勝海舟。もう一人は十歳代に漂流しアメリカ暮らしの後に戻ってきた同じ土佐出身の万次郎。
開国して日本を豊かに艦隊を作ろうと真顔で語るか勝海舟に竜馬は心を奪われる。また勝海舟は竜馬のことを日本を背負って立つ男だと買う。更に竜馬の周りには慕ってくる人達が集まってくる。
一方同郷の武市半平太尊王攘夷を心に抱くもの達をあつめる。薩摩と長州はいがみ合う姿勢を強める。一発触発かのような機運が高まってくる。

咸臨丸でアメリカに渡り違った世界を見知った勝海舟と、その話を自分の中に素直に吸収した坂本竜馬。両者はその頃の日本を支配していた尊王、攘夷、統幕、といった宗教的な思想に捕らわれない別の世界観を手に入れる。パラダイムシフトが起ころうとしている。