小林秀雄「信ずることと考えること」

講演CDから。
ユリ・ゲラー出演のテレビ番組を知人と一緒に見ていて、止まった時計が動くように念じたら動き始めた、という事をこともなげに話し始まる。正直、自分自身、念力があるとは昔から信じていないので、冒頭からビックリさせられる。聴衆も初めは笑っているのだが、小林秀雄の語調が少しずつ強くなり、科学を絶対的だと思い込んでいる知識人は駄目だという展開になるにつれて、会場の空気が張り詰めていくようだ。
念力なんてインチキ、非科学的だという人は多いだろうが、小林秀雄に言わせると念力は当然存在し、そのような反応をする知識人の突き詰め方自身が、自分の方法論に囚われているだけだという事のようだ。

なるほど深い話だなと思うが、科学を疑ってかかるのは実際問題結構骨が折れるだろう。

科学は合理的経験に基づく狭い世界
精神と脳が平衡していいないなら、死んでも精神は残るはず
科学は発達したのだが、人間の精神は発達していない
魂は人の心にある
信じることは責任をとること
日本はみなの心にある。ただ気付かないだけ
考えることは、対象と交わること