試し酒

男が奉公人を連れて友人を訪ね、奉公人が酒を5升飲めると言うもんだから、友人がもし本当に飲めたらお小遣いをやる、その代わり飲めなかったら奉公人の主人が友人に食事を奢る、という賭けになる。

奉公人はちょっと考えたいといって外に出てから戻ってくる。

さて、奉公人は1升も注げる大きな杯でゴクゴクと酒を飲み、とうとう5升飲んでします。友人は、「外に行って何か特別なことをしてきたんじゃないか?」と問うと、奉公人は「5升飲めるか自信が無かったので試しに酒屋で飲んできた」。

それにしても酒を5升ってだけでも有り得ないのに、更に5升というのは随分と大胆な作り話だ。これが全部で1升といったような量なら、飲めるかも知れないな?と考えてしまうが、絶対有り得ない量だけに考え込む必要が無い、つまり気を許して聞くことができるという事かな。