お見立て

吉原の花魁のところに旦那が尋ねてくる。花魁はその旦那のことが嫌いなので、帰って貰うように若い衆に頼む。うまく断らなければいけないので、最初は病気だという理由にするのだが、それでは見舞いたいと言い出すので、今度は旦那のことを想うあまりに食事が喉を通らず弱って死んでしまった、という事にする。

旦那もひとしきり悲しむのだが、では墓を参りたいと申し出る。仕方なしに若い衆は寺まで連れて行くのだが、もちろん花魁の墓があるはずがない。旦那をだまして他人の墓を案内するのだが花魁のものではないとばれてしまう。

若い衆は開き直って、「旦那が好きな墓をどれでも見立ててくれ」と。