仏馬

お寺の坊主が二人、檀家周りを終えて寺に帰るところだった。荷物が重くて困っていたら丁度馬が繋がれている。これ幸いとその馬に荷物を載せて寺に帰してしまう。もちろん住職に馬を盗んだとはいえないので、親切な檀家がくれたのだと説明する段取りになっている。
さて、残った方の坊主、弁長は酔っていたので、馬を繋いでいた綱を自分に結わいたまま寝てしまう。
驚いたのはその馬の持ち主。弁長は、自分は仏罰により馬になって修行していたが、それが許されてまた人間の姿に戻ったのだと、ごまかす。
さて翌日、住職は馬は飼えないから売って来るように弁長に命じる。弁長は酒を馬にも飲ませながら市場に連れて行って売って帰る。
その後元の馬の持ち主が現れる。どうやら自分の馬だと判るのだが、弁長がまた馬にされたのだと決めてかかる。「酒臭いので判るよ」と。