猿後家

ある店の女将さんの後家さんがいたのだが、顔が猿にそっくりで本人もそれを随分と気にしていた。誰かが「猿」と言おうものなら出入り禁止にしてしまう。
あるご機嫌伺いが女将さんに色々とおべんちゃらをいうのだが、最後にとうとう「猿回し」と言ってしまう。それで出入り禁止になりそうになったのだが、そのご機嫌伺い、「皿回し」と言ったのだ、と言って難を逃れる。