芝浜

魚売りの夫婦の話。
商いに身が入らない夫を女房がせきたててやっと出かけさせる。男は芝浜まで出かけるのだが、そこで大金が入った財布を拾う。我を忘れて急いで家に帰って女房に報告し、そのまま酒を飲んで寝てしまう。
目が覚めると女房はそれは夢だと諭す。しかも知り合いを呼んで飲み食いしてその金をどうする積もりかと迫るのだ。男は事態を受け入れ、心を入れ替えて酒を断ち一生懸命に働き始める。
3年が経った大晦日の夜、女房は真実を語る。実は金を拾ったのは本当で、しかしそれがばれると罪を受けることになるから男に夢だと言い聞かせて拾い物だと届けたのだが、結局持ち主は現れないで自分達のものになったのだというのだ。
男は最初は怒ったが、女房の機転に感謝する。女房は今日は酒を飲もうと誘うのだが、男は「また夢になるといけないからよそう」というサゲ。

立川談志で聞いたのだが、女房が告白する際に自分が騙して悪かったと誤り、男はその女房を偉いと褒める、気持ちいい演出だった。