幽霊の辻


ある男が別の村まで届け物を頼まれて行く道中、峠の茶屋によってその村までの道順を教えて貰う。ところが道の事だけでなく、その途中には何箇所か幽霊が出るという事も、聞かれもしないのに男に解説する。
男はびくびくしながら通っていくのだが特に何もおきない。そして最後の関門、幽霊の辻に差し掛かると女が声をかけてくるので一度は吃驚仰天するのだが、足があるので幽霊では無いと考える。ビックリさせられた事に腹を立てる男に女は「幽霊じゃないと思っているのか?」と言って消えてしまう。

筋書きは怪談なので本当なら恐ろしさを感じてもおかしくないのだが、桂枝雀の話は笑いへと引っ張り込むのでとても恐ろしさを感じさせない。そこが桂枝雀の工夫であり技術なのだろう。