舟弁慶


ある男が嫁さんを騙して舟遊びに出かけるのだが、夕涼みに来た嫁さんに見つかってしまう。頭にきた嫁さんは舟に乗り込むが男に突き落とされてしまう。嫁さんは能の「舟弁慶」をはじめると舟の上の男もそれに答える。
周りの人達はそのやり取りに大喜びし、「弁慶はーん」と声援をおくる。男は弁慶、つまり人のおごりで遊ぶやつ、と呼ばれたら友人が舟遊び代を払うことになっていたのだ。

腹が立っているところに更に川に突き落とされても芸を演じ始めるとは、この嫁さん根っからの芸人としかいいようが無い。こういう人が多ければ突然キレて物騒な事件を起こすようなことはなくなるのだろうが。昔はそんなのんびりとした時代だったのだろうか。