失敗学のすすめ


失敗学という研究分野がある事を本書で始めて知った。失敗は成功の母というが、

失敗の特性を理解し、不必要な失敗を繰り返さないとともに、失敗からその人を成長させる新たな知識を学ぼう

という事が趣旨になっている。失敗を前向きに捕らえて将来に生かす為に根本的な原因を究明しようというものという事だろう。

ひとつの失敗の原因はいくつもの要因が重なってあり、それらの要因には階層性があります。

といい、未知への遭遇に含まれるものが良い失敗だと説く。逆に細心の注意を払えば避ける事ができたはずの失敗は悪い失敗だということになる。この分類に従うと悪い失敗がいかに多いことかという事になるが。どうやって良い失敗を重ねるかが組織にとっても個人にとっても成長の糧という事なのだろう。
要因が組織性を持つものほど当事者は気付きにくいものかも知れないように思える。例えば企画不良という事を失敗要因のひとつにあげているが、後になってもそれが企画不良と判別できるものなのかどうか、徹底的に究明してそれを文書化するのは、非常に難しい問題では無いかと考えさせられる。