キャズム

技術的イノベーションが市場に普及しメインストリームに入ろうとする時、容易に超えられないギャップがあり、本書はこれをどう超えていくかを述べたものだ。

新しい技術が普及するライフサイクルに応じて顧客層を分類する。

  1. イノベータ(テクノロジーマニア):斬新かつ画期的な技術を好む顧客層
  2. アーリー・アダプター(ビジョナリー):ブレークスルーを求めている顧客層
  3. アーリー・マジョリティー(実利主義者):着実な成果を求める顧客層
  4. レイト・マジョリティー(保守派):技術導入に慎重な顧客層
  5. ラガード(懐疑派):最後まで導入に否定的な顧客層

ここで、アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティーの間にある深い溝がキャズムであり、市場の成長が止まる時期があるという。
キャズムを超える作戦は目標とする市場の中からニッチな市場を攻略することだという。攻略するにはホールプロダクト、つまり顧客の目標を達成する為に必要とされる一連の製品・サービスを提供することが必要になる。
そして、アーリー・マジョリティーは第三者の意見を参考にするので、ここで口コミ効果を上げるマーケティングがないと苦労することになる。
また、アーリー・マジョリティーはマーケット・リーダーの製品を使いたがる。つまりベンダはニッチ市場において強いポジショニングを確保しなければならない。

本書ではこのキャズムを超えた企業の事例を上げている。知っている企業も多く本書の理論は素直に受け止めることができる。