はてなの茶碗

ある茶店で通称茶金さんと呼ばれる茶道具屋で名の通った人物がなんでも無い湯呑茶碗をしげしげと眺めた挙句に「はてな」と一言。茶金さんが目を付けたからにはとんでもない値がつくに違いないと、油屋がそれを2両で買い付ける。
油屋は茶金さんの店にいって買ってくれを持ちかけるが、実はあれはお茶が漏るのが不思議だっただけだと知る。が、茶金さんは自分の名前を買ってくれたという事と引き換えに3両で貰い受ける。
この話が話題になって帝が見たいということになり、その箱に「はてな」と書き入れたものだから値打ちはあがり千両で売れることになる。
茶金さんは油屋にその顛末を話し、貰った金の半分の500両をあげてしまう。
さてその油屋、後ほどになって、水が漏る大きな壷を担いで茶金さんの前に現れる。

持つ人が持つととんでもない価値が出てくるという事を説きつつ、そんな理屈っぽい話全体を笑いで包んでしまっている。
いろんな落語があるが、落語の笑いは何を追及しているのだろうか、などと感じ始めたところだ。