インポッシブル・シンキング

メンタルモデルとは、人が物事を理解してとるべき行動を決定する際に基本的な方向性を形付ける固定観念のようなもの。本書ではこのメンタルモデルを自分でコントロールする事の重要性とそれを可能にする取り組みを解説したもの。日々意思決定が求められる時にどう判断すればよいか、世の中が移り変わる時にそれにどう対処するのか、メンタルモデルが大きく左右するという。

状況を理解して下す判断は人によって違うのは当然だが、それをメンタルモデルが違うから、という説明ができるのかも知れない。他人と調和しようとするとそのメンタルモデルを理解すれば可能になるのかも知れない。ある分野で秀でた発想を産み出すにはその分野に適したメンタルモデルを身につけておけばよい、ということかも知れない。この考え方は理解しやすい。複雑な思考が必要なときに、それをなんらかのモデルで捕らえる事が可能にするからだ。

課題は、そのメンタルモデルを如何にして身に着けて使い分けるか、という事だ。
自分なりに整理すると、多くの経験を積んでメンタルモデルを研ぎ澄ます事、外部との交流を深め自分の欠点を知る、伝記などを読んで他人のメンタルモデルを知る、などということは役に立つだろう。

なにも今までやってもいなかった全く新しいことが説明されているわけではないのだが、モデル化されていることに大切さがありそうだ。モデルを理解することはどんな場面で何を適用するかという事がひらめきやすくもなるはずだ。
なんでも新しいメンタルモデルに飛びつけば良い訳では無い、直感を信じる(その分野のメンタルモデルに自信がないといけないが)、複数のメンタルモデルを使い分ける、といった示唆は助言として受け入れたいと思う。