竹中平蔵「日本経済の行方」

時流が時流なので予想通りサブプライムローン問題に入るが、多くの人達が不況の原因を安易にサブプライムローンに結び付けているが、今の日本の不況はそれだけが問題ではない、と主張する。
日本が何故弱くなったか?一つは小泉内閣が勧めてきた改革が衰えてきたこと。小泉政権時は期待成長率が高かったのだが今はそれが落ちてしまっている。もう一つはコンプライアンス不況で、建設の偽造問題への対応、消費者保護、外貨抑制などの規制がやり過ぎてしまったが故に動きが鈍くなってしまっている。

ではどうすればいいのか、3つの案があるという。一つ目は、羽田空港を拡張してアジアのハブ空港にする事。二つ目は、法人税を下げる事(今の日本の法人税は世界的に見ても高いらしい)。三つ目は、東大の民営化(世界の大学ランキングで上位は私学しかないという事実もある)。

一時間以上も話し続けていたが、竹中氏の話はよどみなく話しに流れがあり矛盾を感じさせること無く進む。脱線も少しはあるがすぐに本線に戻ってくる。私は経済の事は専門家でもないし正直詳しい方ではないので、その理論が正しいのかどうか批評する自信は無いが、納得できる内容だったし、話の組み立て方も素晴らしいものだった。