仮説思考

仕事の進め方で大事なことは答えから発想することだ。課題を分析して答えを出すのではなく、まず答えを出し、それを分析して証明するのである。

その通りだと思う。が、問題なのは最初に発想した「答え」の確からしさではないだろうか。仕事の世界で意思決定するには、立場や経験が違う人達に「答え」の確からしさを或る程度以上納得を得られないと先に進めない、という状況に遭遇するはずだ。つまり、分析した上で考えられ得る選択肢を考えて、それが初めて仮説として認められると考えるべきではないか。
どのようなチームで意思決定をするにしても、考え抜いた挙句に壁にぶつかったとき、初めて仮説が登場する、という考え方も成り立つように思える。でなければ、最初から誤った仮説を持ったりすると、その後それを証明するこじつけをかき集める方向に倒れてしまう危険性があるかも知れないからだ。

なぜ問題の答えが直感的にわかるかといえば、それは仮説と検証の経験によるものだ。よい仮説は、経験に裏打ちされた直感から生まれる。仮説を立てるには経験を積むことが大切だ。少ない情報でよい仮説を立てられるようになるには、経験を重ねるしかない。どんどん仮説を立て、間違っていたら別の仮説を立てる。

身近なことに、So what?を常に考える、Why?を何度も繰り返す、トレーニング。答えがあっていようがいまいが気にしないのが良いだろう。

仮説検証の経験といっても、やはり実際の業務に近いところでの経験の方が勝るはずだ。課題が難しいはずなのでそれだけトレーニング効果が高いということと、その課題を他の人と議論しやすいので知を増幅することができるからだ。