竜馬がゆく(八)

竜馬は大政奉還を成功させるため倒幕の動きを抑えなければならなかった。この為、岩倉や西郷らに倒幕をあきらめるように説く。
土佐藩からの大政奉還の提案を受け、徳川慶喜は諸藩を召集しそれを決定する。もしこれが拒否された場合、竜馬は慶喜を刺し自分も死ぬ積もりだった。死をもって薩長に償おうとしたのだ。そしてその夜、岩倉等が画策していた倒幕の蜜勅が降りていた。まさに危機一髪だった。

新政府の役員人事を竜馬は草案するが、はなから自分が加わる積もりは無い。

仕事というのは、全部をやってはいけない。八分まででいい。八分までが困難の道である。あとの二分は誰でもできる。その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。それでなければ大事業というものはできない。

草案を見て疑問を投げかける西郷にこう答える。

窮屈な役人はきらいでな。
世界の海援隊でもやりましょうかな。

幕府を重んじる者達からは、幕府の地位をおとしめ、敵としてきた長州藩を許したと反感を持たれ、ついには中岡慎太郎と共に暗殺される。


全巻をやっと読み終えた。なぜ坂本竜馬という人物が多くの人を魅了するのだろうか。自分にはできない、あるいは思いつかないことができた、自分に無いものを持っている、一言では表せない憧れを感じるからなのだろう、というのが自分なりの結論だ。あたりまえか。。

いずれ坂本竜馬の人物像を整理してみたい。