トヨタ生産方式

自動車業界のマーケティングについて調べている内に目に入ってきた図書で、「脱規模の経営をめざして」という副題に多いにそそられて手にする事にした。
大野副社長は当時アメリカに如何にして追いつくことができるのかを考えた末に、徹底的な無駄の排除に出発点を見出し、必要なものを必要なときに必要なだけ生産工程に組み入れる、ジャスト・イン・タイムを追求することになり、それまで常識的だった計画生産を否定して、有名なかんばん方式を全社に押し広める。

トヨタかんばん方式は著名だが、狙いは生産性を上げるという事、それには隠れているはずの無駄を見つけて、それをどうやって無くすか、という極めてシンプルな目的を達成しようとした事だった訳だ。それまでの計画的な生産と調達というパラダイム破る発想はどうやったら生まれたのかという事も興味深いが、ジャスト・イン・タイムを押し広めるには色々なしがらみとの戦いがあったはずであり、それに屈っしないでやり遂げた探求心の強さには、素直に傾聴し学ぶべきだと感じた。