ゴールドラット博士の論理思考プロセス

如何にしてスループットを最大化できるかという課題に取り組んだTOC(Theory of Constraints)の一つに論理思考プロセスがある。TOCでは全体最適を視野において制約条件に着目するアプローチであり、それは物理的なものもあるが、その上のレベルあるのがポリシー、つまり規則だとか方針だとかいった事に起因するものだ。これは厄介なことに見えにくいし、仮に見えたとしても認めたがらない、という性格がある。そこでそれを論理的に誰の目にも見えるようにしようという仕掛けが、このTOC論理思考プロセスだ。

プロセスの前に、まずゴールの設定と必要条件ありきだ。これが無ければ課題を見つけることも出来ないのだが、これが最近のビジネス環境においては難しかったりするだろう。が、これが無ければこの方法論はスタートしない。

プロセスを組み立てるには幾つかのツールがあるのだが、一番自分としては使えそうだと感じたのは「現状分析ツリー(Current Reality Tree)」で、やり方は丁寧に解説してあるが大雑把に理解すると、はじめに問題(好ましくない状態)を書き出してそれを「原因」と「結果」の関係で繋げてゆき、更に「原因」の「原因」をブレークダウンして、これ以上紐解けないという状態になったとき、それらが「根本原因」とするものだ。このとき根本原因は自分の努力で解決できるものでなければ意味が無く、自然現象などは関係無い。

そんなのやらなくても問題が何かなんて判ってるよ、という場合も多いだろうがそれが曲者で、問題の捉え方は人・組織それぞれだったりするわけで、こういったツールで可視化しつつ共有を図るのは有意義なはず。それでも「判っているよ」というような時にはまだるっこしいと敬遠されるかも知れないが。