マーケティング優良企業の条件

企業の目的が利益の追求だとして、どうすればそれを最大化できるのかは誰しも知りたいところ。コトラー氏はマーケティングの意義を、顧客の創造とイノベーションだと言い表している。市場でコモディティ化が進む中、そういった市場では少しばかり技術が目新しいかといっても顧客は振り向かない。顧客に振り向かせること、それを市場志向と言い換えても差し支えないのだろうが、本書はそういったことに成功した日本企業を調査・分析したものになっている。
纏めて言うと、市場志向と言える企業は次の3つのプロセスが優れている。

情報把握:市場から必要な情報を収集し、使用可能な形に整える
情報普及:把握された情報を組織内に適切に蓄積し、普及する
情報反応:情報に対して迅速かつ適切に対応する

何社かの事例を通して、各社が各プロセスをどうやっているのかを解説している。特に興味深いのは「情報把握」に関するもので、ここにあがっている各社は専門組織を作って取り組んでいることが判る。組織化する、と言う事は当たり前のようだが、それだけのコストを覚悟している訳だ。