アイデアのつくり方

アマゾンの読者コメントが随分多いので何となく興味を引かれて手にした。

イデアのつくり方/ジェームス・W・ヤング/阪急コミュニケーションズ

入手したときは、薄くて数十ページしかない、文字も大きい、ということにどことなく拍子抜け。が、読んでみると成る程人気がある理由がわかる。創造するということのプロセスの本質をきわめて端的に表現しているからだ。

第一 資料集め−−当面の課題のための資料と、一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料
第二 心の中でこれらの資料に手を加える
第三 孵化段階。意識の外で何かが自分で組みあわせの仕事をやるのにまかせる
第四 アイディアの実際の誕生
第五 現実の有用性に合致させるために最終的にアイディアを具体化し、展開させる

この第三段階が面白い。ここがアイディアを生み出すコアの段階でもあるはずなのだが、そこを"意識の外"と言ってしまう感覚が達観している。外山 滋比古氏が「思考の整理学」で「見つめる鍋は煮えない」と書いている事と同じかも知れない。