悩む力

近くの本屋でよくランキング10に入っているのでなんとなく気になっていたのだが、筆者がある討論番組に出ていていい事を言ってたので、結局手にすることにした。

悩む力 (集英社新書 444C)

悩む力 (集英社新書 444C)

夏目漱石マックス・ウェーバーの執筆を通して、夏目漱石等の内面に光を当てて当時の時代背景の中でどのような気持ちでいたのか、力強い思想というよりもどちらかというと不安といった方が近い心の状態を描きながら、筆者自身が考えてきた「生きる意味」「青春」「愛」といった普遍的なテーマとに対比させて語ったもの。

決して人の悩みを解決する為の指針を与えようとするものでは無い。それどころか、筆者自身がまだ迷いの途中にあるかのようであり、それでもどこか開き直っていて、この辺で手を打った、みたいな落ち着き方を感じさせる。悩むということは、全く縁がなく過ごす事か、あるいはエンドレスか、のどちらかなのであって、これが正解だと心から言い切れる状態は無いのかも知れないが、満足できる状態に到達することが一里塚になっているのかも知れない。
自分自身も立派な中年だが良い悩み方、明るい悩み方を積み重ねたいものだ。